自動運転や先進運転支援システム(ADAS)のセンサーは、あらゆる天候下で正常に動作しなければなりません。しかし、歩行者緊急ブレーキといったNCAP(新車安全性評価プログラム)の多くは晴天下のみで実施され、雨や霧などの劣悪条件は試験対象外になることが多いのが現状です。その背景には、屋外実環境下では条件再現性が確保しにくいという課題があります。


当テストセンターでは、雨や霧、さまざまな照度条件といった複雑な気象・環境を物理的に再現することができます。
これらの状況を現実的に再現するには、雨粒の正確なシミュレーションや、降雨システムにおける水の再利用、薄明かりの再現などが必要となります。
ローディングの屋内センサー試験場はこれらの要件を満たしていますので、ADAS/ADセンサーにとって重要な気象状況を網羅した試験・検証環境となっています。再現性のある屋内測定に基づき、さまざまな気象条件と関連センサーの仮想シミュレーションに用いるモデルを取得していただけます。
お客様のインテリジェントセンサーが安心・安全な未来のために正確に機能するよう、AVLが責任を持ってサポートいたします。
精度への徹底したこだわり
試験設備をお持ちでないお客様に、プロフェッショナルなサポートを提供します。ドイツ・ローディングのAVLテストセンターでは、実際の環境を模しつつ、再現性のある正確な試験を実施しています。また、ラボで得られたデータと、走行環境から収集したデータとを比較・検証しています。
最新鋭の設備
AVLの屋内施設は最先端の技術設備をそろえております。各国の要求事項を可視化し、それに対応する機能検証をおこなっていただけます。また、それぞれの市場に適した開発も支援いたします。
再現性のある屋内環境での試験
- 霧、さまざまな照度条件などの気象環境
- 面積 1,600 m2 (84 m x 19 m)
- 降水強度5 mm/h ~ 98 mm/h、および対応する雨滴サイズ分布を再現可能な降雨システム
- 霧 発生装置
- 間接的自然光(路面から10 cm上で2,000 ルクス超)を再現可能なホール照明(設置照明出力:90 kW)
- 換気/通気、加温、ろ過、水の再利用、水フィルターなどの補助設備
- 路面構成や車線境界をカスタマイズ可能なアスファルト舗装道路
人口太陽を用いた試験
- 人工光で再現できる中で、最も広い波長領域をカバーするグレア(まぶしさ)を再現
- 人口太陽はロボットアームに取り付けられ、車載カメラの周囲を半球状に移動(最小角度分解能:0.01°)
動的な交通状況を模擬した試験
- 屋内でのNCAPダミー(歩行者、自転車、車両など)の位置特定と制御
- 雨や霧などの外乱要因を加味した動的な交通シナリオのシミュレーション
関連トピック
AVLは常に新しいソリューションの開発に努めています: