シミュレーションソリューション | その他

粒子ベース流体シミュレーション:バーチャルウォーターで「涼」を楽しむ

Published on September 15, 2025 · 6 min read

水の挙動を正確にシミュレーションすることは、さまざまな産業分野の流体解析において重要な役割を果たします。たとえば、自動車工学におけるウォーターマネジメント、土木工学におけるダム決壊や波の解析、家電業界の食器洗浄機などの開発、さらには洗浄・包装といったプロセスエンジニアリングまで、水の流れは多くの応用領域に関わっています。
そして、ドイツで気温の高い日が続いたこの夏、“バーチャルに涼をとる”べく、水をテーマにしたいくつかのシミュレーションを実施しました。

この記事では、そんな夏らしい遊び心あふれるシミュレーション例を紹介します。透き通ったプールのさざ波、噴水の水しぶき、うねる波、そして勢いよく飛び散る水しぶきなど、水の多彩な動きをリアルに再現し、粒子ベース流体解析の可能性を感じていただける内容です。

これらのシミュレーションは、PreonLab の陰的時間積分を用いたSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法により実施されました。SPH法はメッシュを用いず、水を数百万個の相互作用する粒子としてモデル化する手法です。
PreonLab を使用することで、水と静的な固体との単相の相互作用をシミュレーションできるだけでなく、他のニュートン流体および非ニュートン流体、動的な剛体、さらには変形可能な固体との相互作用もモデル化することが可能です。
このソリューションは、エンジニア、デザイナー、クリエイターにとって、現実世界の流体挙動を再現するための強力なツールであると同時に、視覚的にも魅力的なビジュアルを提供します。

PreonLab Water Simulation Blog Header

ここでは、私たちのお気に入りの水をテーマにしたシミュレーションの一部をご紹介します。暑い夏を乗り切るための、バーチャルならではの最高のインスピレーションとなるでしょう。

動画1では、静かなプールに上からボールが落ち、重力の影響で水面が揺らされ、跳ね返る水しぶきと波紋が広がる様子が描かれています。

動画ファイル

動画1:落下する球のシミュレーション

動画2では、スプラッシュコースターが水面に衝突し、ダイナミックな水しぶきを上げるシーンを再現したシミュレーションです。剛体力学を用いて、衝突によるコースターの破壊挙動を表現しています。

動画ファイル

動画2:スプラッシュコースターのシミュレーション

動画3は、波に運ばれる浮かぶアヒルを描いたビーチをテーマにしたシミュレーションです。PreonLabの剛体ソルバーと波生成機能を連成し、リアルな水面運動を実現しています。

動画ファイル

動画3:浮かぶアヒルと打ち寄せる波のシミュレーション

動画4では、決壊したダムの水が弾性体の上を流れる様子を示しています。水と弾性体の間の流体-構造連成(FSI)をモデル化することで、急流によって物体が変形する様子をシミュレーションできます。

動画ファイル

動画4:弾性ロゴ上のダム決壊シミュレーション

動画5では、噴水の流れを描いています。噴水のアーチや水流は、異なる位置から水を放出するエリアソースをキーフレームで操作してシミュレーションされています。また、シミュレーション後半では、時間とともに増加する非定常の気流により、水のクラウンが大きく揺れる様子も再現されています。

動画ファイル

動画5:非定常気流下の噴水シミュレーション

動画6では、ウォーターガンによる水流が、粘性の高い泥状の流体で覆われた壁に当たり、洗い流す様子を再現しています。このシミュレーションでは、水と非ニュートン流体との多相流の相互作用が表現されています。

動画ファイル

動画6:泥壁洗浄シミュレーション

そして最後に、動画7では(水とは少し異なりますが)ブラックカラントジュースがグラスに注がれる様子が描かれており、暖かい夏の日にリラックスして楽しむ情景を再現しています。

動画ファイル

動画7:グラスに注ぐブラックカラントジュースのシミュレーション

エンジニア、デザイナー、学生、またはシミュレーション愛好者の方々にとって、このコレクションが、日常の中でひと息つけるリフレッシュの場となれば幸いです。物理とテクノロジー、そして少しの遊び心が交差するこれらのシミュレーションは、シンプルでありながら私たちの生活に欠かせない「水」を中心に展開されています。
外の気温を下げることはできませんが、このバーチャルな“水の世界”が、夏の終わりにちょっとした涼しさとインスピレーションをもたらすことを願っています。

PreonLabによる粒子ベース流体シミュレーションの可能性や、エンジニアリング分野での代表的な応用事例については、こちらをご覧ください: Use Cases | FIFTY2 

 

謝辞:

動画2:Jing Tai Tune氏との共同制作
動画3:波の設定(Michel Make氏協力)
動画4:Diogo Lopes氏

 FIFTY2 Technology GmbH のすべての皆さま.

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