エンジニアリング

e-モーター

800 V・30,000 rpmの技術で e-モビリティの未来を創造

高性能e-モーターアーキテクチャにおける最高レベルの技術力
コンセプトからプロトタイプ、そして量産まで
開発プロセスから試験、検証まで、すべてをひとつの窓口で

 

E-Motor Solutions

e-モビリティの重要性が高まる中、e-モーターは電動駆動システムの中核を担う重要なコンポーネントとなっています。鍵となるのは出力密度とトルク密度の最適化、さらにコストとエネルギー効率の向上です。モーター開発においては、e-モーター単体ではなく、バッテリーをはじめとするすべてのコンポーネントを車両全体のシステムとして捉えるアプローチが求められます。AVLは、この考え方に基づき、e-モーターに求められる要件を定義したうえで、電磁設計、機械設計、熱設計を行っています。

AVLが手がけるカスタムソリューションでは、密閉型モーター構造を活かした直接ステーターオイル冷却や、高速回転に最適化されたベアリング設計、ヘアピン巻線など、数々の革新的な技術を採用し、e-モーターの性能を最大限に引き出しています。その成果のひとつが、10年以上の実績のある 800Vモーターです。現在では多くの自動車メーカーが標準の2倍となるこの電圧に移行し、日常使いにおける利便性と効率性の工場を実現しています。この流れは高級車にとどまらず、ミッドレンジ車にも広がりをみせています。

さらに、AVLの高速回転モーターの設計コンセプトも極めて先進的です。30,000 rpmを達成しながら、従来比50%以上の軽量化を実現。材料を効率的に活用することでモーター全体の大幅な小型化が可能になり、マグネットを含むアクティブ部品のコストを最大60%削減することにも成功しています。

車載用e-モーターには特有の要件が求められます。なかでも重量や出力密度の最適化は極めて重要です。また、機械的・電磁的な視点の両面から、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)の低減も不可欠です。さらに近年では、持続可能性や希少材料の調達可能性などもますます重視されています。

E-Motor as a Part of E-Axle

パフォーマンスと出力密度

自動車業界では、高出力でありながら、より小型かつ軽量なe-モーターが求められています。特に、連続出力とピーク出力のバランスをいかに最適化するかが焦点となっています。モーターの過熱を防ぐには、冷却効率の最大化が不可欠です。なかでも、効率的な熱マネジメントでは、一般的な外部ジャケット冷却方式ではなく、モーター内部の発熱源から直接熱を除去する設計が注目されています。この方式で、モーターの耐久性や信頼性が向上するだけでなく、必要以上の大型化・重量化を避けられるというメリットも得られます。

コスト削減

e-モーターの開発・生産・性能を密接に連携・統合することで、従来と比較して大幅なコスト削減が可能になります。その可能性を最大限に引き出すことが、今まさに求められている課題です。

効果と効率

e-モーターと車両全体のシステムは、機械的・熱的・電気的な観点に加え、制御戦略の最適化においても、高い整合性を持つことが求められます。効率が向上することにより、航続距離の延長や、バッテリーをはじめとする他のコンポーネントにかかるコストの削減へとつながっていきます。

持続可能性

永久磁石に必要なレアアースなどの原材料を安全かつ安定的に調達することは、今後ますます重要な課題となります。将来のe-モーターには、再利用やリサイクルのしやすさを考慮した設計・最適化が求められます。またモーターの性能を維持しつつ、磁石を使用しない代替技術の開発も、不可欠な取り組みです。

E-Motor Solutions

AVLの開発体制はe-モーター開発のすべての領域をカバーしています。電磁設計はもちろん、機械設計や熱設計にも対応の包括的なシミュレーションツールチェーンを備え、特にNVH(騒音・振動・ハーシュネス)の最適化を実現しています。

あらゆるモーター技術の採用・開発について、AVLは高い品質と豊富な実績を誇ります。永久磁石同期モーター(PMSM)および誘導モーター(IM)の両方に対応し、アキシャル型・ラジアル型のモーター設計も網羅しています。また研究開発部門では、これらに代わる新技術の開発にも積極的に取り組んでいます。

冷却技術に関してもあらゆる方式に対応可能しており、特に直接オイル冷却の分野においては高い専門性を有しています。

長年にわたるエンジニアリングの知見と高度な手法・シミュレーション技術を活かし、お客様の用途にカスタマイズされたe-モーターの新規設計はもちろん、既存ソリューションの最適化も可能です。電動駆動から電動パワーステアリングやe-コンプレッサーなどの補機用途まで、幅広い分野に対応いたします。

開発を最短距離で

シミュレーションすることで膨大な設計バリエーションを迅速に評価し、KPIに基づく最適化が可能です。開発時間の短縮はもちろん、量産設計の繰り返しによるコスト負担も押さえることができます。

多面的に最適化する

AVLのシミュレーションツールチェーンは、性能・効率・コスト・音響特性など、複数の設計要件のバランスを可視化・最適化することができます。制御手法や機械設計の工夫により、e-モーターの静粛性を高めることなどが可能です。

設計と検証の計画(DVP)

AVLのDVPは詳細なシステム分析に基づき構築されています。その分析結果をもとに統計的な DoE(実験計画法)を活用したエラー分析を実施することでさらに精度の高い結果が得られ、テスト回数を減らすことができます。

トータル最適化

AVLはe-モーターだけでなくインバーター、トランスミッション、e-アクスルの開発、さらに車両全体への統合までカバーしています。部品の関係性を深く理解しソフトウェアとハードウェアを緻密に連携させることでコスト・性能・効率の最適化を実現しています。

モーター・インバーターの最適運転戦略

実験計画法(DoE)、連成シミュレーション、NVH解析を活用し、走行サイクルやシナリオに応じて最適な制御戦略を柔軟に設計・調整します。

先進的な冷却技術

AVLの直接油冷システムは熱を効率的に放散し、連続出力とピーク出力の比率を最適化します。モーターを過剰に大型化する必要がなくなり、コストや重量、設置スペースの削減につながります。

設置スペースを最大限に活かした設計

アキシャルフラックスモーター(軸方向磁束モーター)などの革新的なe-マシンアーキテクチャをAVLはご提案しています。そのディスク状の構造によって高トルクながらコンパクトなサイズを実現し、お客様の車両設計に柔軟に対応可能です。

持続可能なモーター技術

e-モーターの回転数を倍増させることで磁石の使用量を最小限に抑え、主要部品の重量を最大60%削減します。

サイズは小さく、出力は強力に

回転数を倍増させることでモーターのサイズを大幅に縮小し、コンパクトながら高い出力密度を可能にします。

トータル設計とレイアウト

電磁設計・機械設計・熱設計を含むe-モーター全体のレイアウトをトータルで提供いたします。

試作対応

少量の試作に対応しております。大量生産をご希望の場合、量産に適した提携先をご紹介することも可能です。

試験および検証サービス

AVLの試験設備は、弊社開発品だけでなくお客様の製品にもご利用いただけます。最適な試験および検証手法のほか、必要に応じてAVLエキスパートの技術サポートも受けることができます。

車両統合

システム全体の整合性を考慮し、コンポーネントを無理なく車両に統合いたします。

Thomas Frey

AVLは800Vの直接オイル冷却e-モーターを10年以上活用してきました。さらに、非常に高い出力密度を実現する30,000rpmまでの高速機械にも開発を広げており、多様なプロジェクトにおいて持続可能性と性能の向上を追求しています。これらの革新を通じて未来を見据えた確固たる姿勢を示し、業界の先駆者としての役割を一層強めています。

– Dr. Thomas Frey, Head of Segment E-Mobility & E-Drive System, AVL Software and Functions GmbH 

関連トピック

AVLは常に新しいソリューションの開発に努めています:

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電気駆動系開発

電動パワートレインソリューションに対する需要が高まっていることで、高いレベルの開発能力と専門知識が求められています。AVLは、個々のコンポーネントからソフトウェア、統合システムに至るまで、総合的なアドバイスと、革新的な開発と試験ソリューションを提供して、お客様の変革プロセスをサポートします。お客様の推進システムを商品化します。

Man sitting at an operator desk
AVL PUMA 2™ E-Motor

e-モーター試験向けクラス最高の自動化システムです。

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