ザラゾーン自動運転テストコースで高速オーバルトラックが開設

ハンガリー・ザラエゲルセグ – 2025年5月
5月14日、ザラゾーン自動運転テストコースでは、新設の高速オーバルトラックの開所式が正式に執り行われました。このトラックは、車両のダイナミクス評価および耐久性試験の主要拠点となります。
全長4,450メートルのこのトラックは、4つの主要な構造要素で構成されています。950メートルの直線区間と、半径350メートルのカーブを持つ1,275メートルの曲線区間がそれぞれ2本あり、これらは滑らかな走行遷移を実現するためにブロスジオメトリーを採用して設計されています。
4車線のトラックは、幅16メートルのアスファルト舗装と、合計22.5メートルのクラウン幅を持ち、各車線の幅は均一に3.75メートルです。この設計により、車両の安定性を保ちながら徐々に加速することが可能です。
ニュートラルスピードレンジ(21~180 km/h)の範囲内では、車両は横加速度を受けることなく適切な車線を走行でき、安定かつ安全な運転が可能です。また、トラックはより高い持続速度にも対応しており、カーブでは最大270 km/hの定速走行が可能で、直線区間では車両性能に応じてより高い最高速度を達成できます。
さらに、最大縦断勾配はわずか1%となっています。
このオーバルトラックはUNECE R79およびISO 15037-1などの国際基準に完全に準拠しています。
「この新しい高速オーバルトラックの開設により、AVL ZalaZONEはヨーロッパにおける先進的なテストコースとしての地位をさらに強化することができました」と、AVL ZalaZONEのマネージングディレクターであるゾルタン・ハマーは開所式で強調しました。
また、AVLの最高執行責任者(COO)であるルーカス・ウォルターは次のように述べました。「この施設は、他に類を見ない試験環境を提供するだけでなく、安全かつ効率的なモビリティソリューションの開発に多大な貢献を果たします。」
開所式当日には、来場者が高速オーバルトラックを実際に体験できる機会も設けられました。プロドライバーが高性能車両で来場者を同乗走行に案内し、2周にわたってバンク付きカーブで時速200kmを超えるスピードの迫力を体感してもらいました。
さらに、ステアリングおよびペダルロボットを搭載した車両によるダブルレーンチェンジの実演など、さまざまな特別デモンストレーションも行われました。「ファンドライブ」プログラムでは、訓練を受けたインストラクターとともにハンドリングコースを走行し、スリルあるドライビング体験を楽しむことができました。
ザラゾーンについて
ザラゾーン(ZalaZONE)は、ハンガリー西部に位置する250ヘクタールの車両試験のための複合施設で、動的および自動運転機能、先進運転支援システム(ADAS)、および耐久性試験の開発と検証のために特別に設計されています。
この自動運転テストコースは、オートバイ、乗用車、および大型車両の試験に対応しています。この施設は、周辺地域だけでなく、ヨーロッパ全域およびそれ以外の地域の開発機関にとっても素晴らしい機会を提供します。
最先端の試験インフラに加えて、高度なエンジニアリングサポート、最新の技術設備、完全装備のワークショップ、熟練した技術者、そして給油ステーションといった、包括的なサービスも提供しています。
試験業務は、オフィスインフラ、ADAS試験機器、そして経験豊富なテストドライバーによって補完されています。
約12,200人の従業員を擁するAVLは、自動車業界をはじめ、鉄道、船舶、エネルギーなどの分野における開発とシミュレーション、試験を行うモビリティテクノロジーのリーディングカンパニーです。独自の広範な研究活動に基づき、より環境に優しく、安全・安心で快適なモビリティ社会の実現に向けて、コンセプトやソリューション、方法論を提供しています。
AVLは、国際的なパートナーや顧客の持続可能なデジタル変革を支援しています。特に、電動化、ソフトウェア、AI(人工知能)、オートメーションの分野に重点を置いています。さらにAVLは、エネルギー集約型セクターが、より環境に優しく効率的なエネルギー生成・供給を実現できるように支援しています。
AVLでは、情熱がイノベーションを促進しています。世界各国に90か所以上の拠点と50か所のテクニカルセンター/エンジニアリングセンターを展開し、新しいモビリティ社会を実現するためにお客様をサポートしています。2024年は20.3億ユーロの売上高を達成、そのうち11%をイノベーションの加速に向けた研究開発活動に投資しています。













