米国環境保護庁(US EPA)は、高負荷運行試験(HDIUT)法を拡大し、粒子状物質(PM)の排出も対象としました。この法律は、大型車両メーカーに対し、実走行条件下における排出物報告を行うPEMS(車載型排出ガス計測システム)による試験を実施することを義務付けています。
この法律に加え、煤煙・PMの排出は、DPF(ディーゼル微粒子除去装置)煤煙負荷モデルの作成・妥当性確認など、エンジン開発時の重要な要素でもあります。排気後処理システムが複雑化しているため、DPFを取り外してこの用途に一般的な測定装置を使用することは不可能な状況となっており、代替となるソリューションが求められています。

AVL M.O.V.E PM PEMS iXは、最も厳格な排出基準を満たし、ユーザーを中心に据えて設計されています。キャリブレーションと最適化、妥当性確認と検証など、どのような排出物測定活動を行う場合でも、これは重要な測定装置になります。
AVL Micro Soot Sensor製品世代で既に特長となっている時間分解光音響煤煙測定原理と重量PM測定を組み合わせることで、高い精度と1 µg/m³の低検出限界を実現しています。
AVL M.O.V.E車載試験プラットフォームにより、AVL PM PEMS iXは、測定機器やセンサーの追加や、車両CANバスへのアクセスにより拡張可能で、PEMS試験向けに完全かつ統合されたソリューションとなっています。
技術データ | ユニット |
センサー原理 |
時間分解光音響測定 原理・重量フィルターモジュール |
測定範囲 | 0.001~50 mg/m3 |
表示解像度 | 0.01 μg/m³ |
煤煙検出限界 | 1 μg/m³ |
希釈度(DR) | 一定:最大DR = 20 比例:DR = 2~100 |
動作温度 | -10 ~ +45 °C |
動作高度 | 最高 2,200 m |
法令遵守
米国環境保護庁(US EPA)の高負荷運行試験(HDIUT)法
ISO 8178-2に準拠した使用過程試験
高い測定精度
重量PM測定および連続煤煙測定により、このシステムは非常に正確です。
効率性
この装置は、保守性を向上させ、RDE(実走行時排出物)測定の耐用年数が伸長する可能性があるため、費用対効果が高くなります。
設置
既存のPEMSシステムへの設置と統合が容易です。
堅牢性
複数の評価プロジェクトおよびお客様のプロジェクトで実績があります。
重量フィルター測定
重量PM PEMSフィルターを使用することで、DPF(ディーゼル微粒子除去装置)の除去や計量にコストをかけることなく、DPFのPM負荷の妥当性確認を実施できます。
互換性
AVL Concerto M.O.V.E Data Toolboxを含むAVL M.O.V.E車載試験プラットフォームに対応しています。