AVLは1948年からICEの開発に携わっており、シミュレーション技術の黎明期である1980年代からツールを社内で活用していました。1990年代からはこれらのツールを市場にも提供し、ターボチャージャーやマルチバルブ技術など、ICEの進化を支える技術を多数生み出し、その過程でソフトウェアも継続的に進化させています。

近年、以下のような課題がICEの開発において顕在化しています。
排出規制の強化
燃料価格の上昇による燃費向上の必要性
ハイブリッド化にともなう使用条件の多様化
水素やバイオ燃料など代替燃料の活用

たとえば、代替燃料の燃焼プロセスや排出成分の詳細な分析、ハイブリッド運転による耐久性や振動・音響性能変化の検証など、多様なシナリオに対応可能です。


ツールと手法:
- 開発プロセスの全段階で利用可能なシミュレーションツールを提供
- 直感的なワークフローにより操作性が高い
- バーチャルツインを活用
- 高度に精密なモデルによって、詳細な結果を得られるため意思決定の信頼性が向上
- 長年蓄積された内燃機関開発のノウハウをソリューションに反映

「開発プロセス全体でバーチャルツインを活用することで、ハイブリッド構成などの新システムを詳細に検討できます。AVL Simulation Desktopを使えば、ひとつのプラットフォーム上で結果の共有や再現が常に可能です。」
- AVL List GmbH ソリューションマネジメントスキルチームリーダー オリバー・クナウス
ハイブリッド化の進展により、ICEは新たな役割を担うようになり、それに伴って新しい課題も生まれています。さらに、代替燃料の導入もまた独自の課題をもたらします。
性能、排出ガス、耐久性、音響性能について、今あらためて評価し直す必要があります。

ICEの性能と排出ガスをバーチャルに評価

CO₂フリーをはじめとするゼロエミッションモビリティの実現は、私たちが掲げる目標です。この実現には、最新のICE技術も重要な役割を果たします。
限られた開発リソースでICEを最適化
ICEは今後も長期にわたって、さまざまな形で存在し続けます。しかしながら、ICE開発に割けるリソースは縮小の一途をたどっています。シミュレーションは従来の開発プロセスに代わる手段であり、バーチャル環境で多様なコンセプトを迅速に検証することが可能です。
バーチャルツインに基づく開発のメリット
- V字型開発プロセス全体に適用可能
- 排出成分の正確な分析と、その対応方法の把握
- 効率を最大化するための最適化
ICEの耐久性とNVH性能を効率的にバーチャル評価

ICEと電動モーターを組み合わせることで、運転条件が変化し、新たな負荷が発生します。これらの負荷はエンジンの耐久性や挙動に影響を与えます。代替燃料を使用する場合も同様です。
バーチャルツインに基づく開発のメリット
- V字型開発プロセス全体に適用可能
- 異なる環境条件下での運転戦略を簡単に検証可能
- 個々の部品およびエンジン全体のNVH挙動を詳細に分析
モビリティの革新が加速しています。これは単に新しい、より持続可能な駆動システムを開発するだけの話ではありません。開発プロセス全体が変革期を迎えており、その中心にはシミュレーションがあります。
今、OEMもサプライヤーも、設計プロセスやエンジニアの能力の限界を押し広げる課題に直面しています。さまざまなシステムの増加に伴い、部門構造やチーム編成も変化しています。
AVLでは私たち自身もこのプロセスを経験しています。なぜなら、単なるソフトウェア開発者ではなく、エンジニアでありユーザーでもあるからです。得られた知見を、直感的なワークフローやジェネレーター、ウィザード、評価機能としてソフトウェアやプロジェクトに取り入れています。

AVLは、未来のモビリティを実現するためのグローバルパートナーです。そのモビリティは環境への影響を最小限に抑え、部品レベルからシステム全体に至るまで幅広いシミュレーションソリューションを提供しています。開発プロセスに密接に組み込まれているため、AVLのソフトウェアソリューション (ツールやプロジェクト) により、バーチャライゼーションにおける課題を克服することが可能です。
75+
歴史
in 26
事業展開先国
12,200
世界の従業員数
68%
エンジニア・科学者比率