モビリティは持続可能でなければなりません。AVLは20年以上にわたり、バッテリー、燃料電池、e-モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクス、関連する電子制御システムなど、最新の推進システムとそのコンポーネントを開発してきました。
AVLの専門知識は、車両へのシステム統合にまで及んでいます。AVLは、非常に早い段階からe-モビリティに投資してきました。バッテリーやe-モーターの開発向け各種テストベンチを備えたe-モビリティセンターは、2012年に稼働を開始しました。グローバルなエンジニアリングリソースの3分の2は、電動推進システムに向けられています。

あらゆる車両クラスで安価な車両を
現在、BEV(バッテリー電気自動車)は主にプレミアムセグメントで見られます。現在の課題は、コストに敏感な他の車両クラスにも適切なソリューションを大規模に導入することです。e-モビリティは誰もが手に入れられる価格であるべきです。
AVLの研究・開発部門は、原材料と資本の利用を最小限に抑え、e-モビリティの生産成熟度を向上させる新しいコンセプトに集中的に取り組んでいます。

エネルギー消費の継続的削減
電気自動車を購入するエンドユーザーは、主に航続距離、充電時間、価格を考慮し、この3点が差別化のカギとなります。
たとえば、AVLでは、充電速度を充電容量(キロワット)ではなく、毎分での航続距離(キロメートル)で考えています。このような消費者志向の視点は、将来の要件に対応する際にも役立ちます。
エネルギー消費量を削減するため、AVLは急速充電が可能な小型バッテリーを活用した、より軽量で効率的な車両コンセプトに取り組んでいます。また、AVLの開発活動は、電気自動車の全体的なエネルギー管理に重点を置き、エネルギー消費量を最小化するための車両内の多様なエネルギーシステムとの連携に努めています。そのため、システムエンジニアリングのアプローチ、手法、シミュレーションツールを用いたシステム思考が、成功を収める上で基本的な要素となります。これは、エネルギー消費量を最小限に抑え、システム性能を最大化するために、電気自動車の高度な個々のコンポーネントから最適なシステムを見つけ出す唯一の方法です。
AVLのモジュールソリューションには、開発サポート、試験と妥当性確認、シミュレーションツール、システム統合が含まれています。また、マイルドハイブリッド車やプラグインハイブリッド車から、専用プラットフォームをベースとしたバッテリー電気自動車や燃料電池電気自動車に至るまで、個々の車両コンセプトに合わせてオーダーメイドに対応します。


- ジャガーI-PACEのバッテリー開発に大きく貢献
- 日本のトラックメーカー三菱FUSOのトラック向け3バッテリーパックの開発を、実現可能性の検討から最終的な妥当性確認に至るまでサポート
- アウディe-tron高効率モデル向け派生型バッテリーの開発
- パウチセルを搭載したバッテリーモジュールの年間約300万個におよぶ大量生産

CO2規制、エネルギーや原材料のコスト高騰により、電気自動車のエネルギー消費量を最適化する必要性が高まっています。持続可能で手頃な価格のモビリティを実現するため、AVLはシステムアプローチにより車両の総合エネルギー効率を徹底的に最適化します。
Business Field Leader, Electrification
Gerhard Meister
未来の相互接続技術には、全体的なアプローチと体系的な思考が必要です。
AVLは、車両全体、システム、サブシステムに対する深い理解と、実績ある手法を活用して、自動車開発のあらゆる側面のサポートが可能です。たとえば、適切なコンポーネントやサブシステムを開発・選定する際に、他システムへの影響を常に考慮しつつアドバイスを提供できます。
AVLは、お客様に最適な推進力ポートフォリオと適切なテクノロジーミックスを決定し、形状・機能・機械・温度の各方面において適切な方法で、個々のコンポーネントとシステムをお客様の車両に統合、また、制御ソフトウェアを含むE/E統合もサポートします。さらに、トルクベクタリングや車両エネルギー管理など、車両レベルでの機能開発が可能です。

電気駆動系開発

e-モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクス、バッテリー、BMS、ソフトウェアから成る電気推進システムは、バッテリー電気自動車の中核です。航続距離と性能を向上させつつ、重量とバッテリー容量を最適化することが、電気推進システムの重要な開発要件です。
AVLは、サブコンポーネントから制御ソフトウェア、統合システムに至るまで、包括的なアドバイスと革新的な開発・試験ソリューションを提供し、変革のプロセス全体をサポートします。また、EMC(電磁両立性)、試験と妥当性確認、安全性とセキュリティなどの関連サービスも提供しています。
e-アクスルについては、トランスミッション、e-モーター、インバーターの相互作用が効率に大きな影響を与えます。たとえば、半導体技術(IGBTに代わるシリコンカーバイド)を変更すると、効率性に3%以上の差が生じ、車両のエネルギー消費量最適化の可能性はさらに高まります。この点を最大限に活用できるよう、AVLは適切な開発手法と革新的なソリューションでお客様をサポートします。
バッテリー開発

バッテリー開発の要点は、安全性、容量、性能、持続可能性の最適なバランスを追求することにあります。
機能・プロセスの開発、シミュレーション、検証、工業化におけるAVLの革新的ソリューションと継続的な改善により、あらゆる要件を満たすことが可能であり、また、AVLの製品とサービスは、個々のバッテリーセルの評価・選定から、開発、妥当性確認、EOL(End-of-Line)試験、バッテリーパック生産ラインの立ち上げサポートまで、あらゆるプロセスに対応します。
私たちは、グラーツのバッテリーイノベーションセンターを、あらゆる種類のバッテリー開発のために設立しました。このセンターでは、新しいHVバッテリー機能の開発、そして、極めて効率的な生産プロセスの構築・運用・妥当性確認が行われています。よって、新たな要求に対して柔軟に対応することが可能となり、製品の品質とプロセスの信頼性を高い水準で維持しつつ、早期に大量生産を最適化することができます。
燃料電池開発

燃料電池技術は、あらゆる関連産業において工業化に向けて進歩しています。特に商用車やその他の大型用途において、燃料電池は持続可能な輸送と連動したTCO最適化ソリューションとして大きな可能性を内包すると共に、水素はエネルギー源として重要性を増しています。これらのトレンドは、燃料電池モビリティの拡大をより加速させています。しかし、開発には電力密度、効率、コスト、耐久性における最適なバランスが求められています。
AVLは、業界リーダーとしてPEM(高分子電解質膜)およびSOFC(固体酸化物燃料電池)システムの開発と妥当性確認をサポートしており、革新的なカーボンニュートラル推進システムにおいて、技術上の専門知識と定評ある試験ソリューションを誇るAVLが、お客様のパートナーとして選ばれています。グラーツの水素・燃料電池テストセンターでは、燃料電池と水素技術の試験インフラを提供しており、最大20台の高性能テストベンチが、最大400 kWのシステム性能をサポートします。
- 革新的な強み
カナダのバンクーバーにあるAVLの研究センターでは、燃料電池の中核となるセルスタックを開発しています。一方、他の拠点では、これらのセルスタックを車両に組み込むための包括的なシステムを構築しています。
- 世界各地との緊密な交流
テックセンターのグローバルネットワークにより、各市場のニーズを把握します。
- 工業化に関する高度な専門知識
さまざまな一次部品メーカーや完成車メーカーとの協力関係を通じて、工業化の課題を解決するための貴重な知見を得ています。
- 複合的な専門知識
AVLのシステムエンジニアリング、試験施設、ソフトウェア専門家とともに、あらゆる効率化の可能性をシステム全体に広げることができます。

拠点が世界各地に広がっているため、世界中のお客様に迅速なサポートを提供することが可能です。専門家のグローバルネットワークと幅広いナレッジがある私たちは、現在および将来のe-モビリティを実現する高度な技術ソリューションを提供する信頼できるパートナーとして選ばれています。また、乗用車から商用車や二輪車まで、あらゆる車両クラスに対応しています。
5,700名以上の専門家
e-モビリティエンジニアリング、試験、シミュレーション分野における世界的な専門知識
900を超えるバッテリープロジェクト
AVLが成功に導いた900を超えるバッテリープロジェクト
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