Simulinkモデル ― AVL CRUISE™ Mとのダイレクト連成シミュレーション
Published on February 17, 2026 · 2 min read
Simulink上でのAVL CRUISE™ Mモデル活用
AVL CRUISE™ MからSimulinkへの連携として、現在も利用可能な最も古いインターフェイスは、MATLAB S-functionベースのエクスポート機能です。この方式では、CRUISE MモデルをFMUとしてエクスポートし、それをS-functionインターフェイスでラップすることで、Simulink上でCRUISE Mモデルを直接実行できるようにしています。
その後、Simulink自体がFMUの直接インポートに対応したことで、本来であればこのS-functionインターフェイスは役割を終えるはずでした。しかし実際には、FMUインポートブロックでは対応できない特定の用途を補完する形で、現在も活用されています。
その用途とは、FMI 2.0準拠のFMUにおける特定の(スカラーではない)パラメーター、例えば特性値(characteristics)やマップ(maps)への対応です。これらは FMI 2.0 標準に明確な定義がなく、カスタムアノテーションに依存しているため、標準的なFMUインポートだけでは十分に扱えません。
SimulinkモデルをAVL CRUISE™ Mで活用する
これまで、SimulinkモデルをFMUとしてエクスポートする方法以外に、CRUISE M内でSimulinkモデルを直接統合する手段はほとんどありませんでした。しかし、今回ついにその状況が変わります。
新しいコンポーネントの使い方
「Simulink Model」コンポーネントのユーザーインターフェイスは非常にシンプルです(Release 2026 R2では便利な拡張機能も追加予定で、その内容は後ほど紹介します)。
- ファイル参照エディタ:.slxファイルを選択するための機能
- 「Configure MATLAB」ショートカットボタン:Preferencesページに移動し、CRUISE MにMATLABのインストール場所を知らせる設定を行います(一度設定すれば保存され、今後再利用可能)
- チェックボックス:MATLABデスクトップやモデルを開かずに静的に連成するか、あるいはCRUISE Mのシミュレーション実行中にSimulinkモデルを素早く編集できるインタラクティブなモードにするかを選択可能
MATLABの設定が完了し、Simulinkモデルがロードされると、モデルファイルを読み込み外部インターフェイスを再構築します。SimulinkモデルのトップレベルのInportブロックとOutportブロックは、それぞれCRUISE M内の入力・出力データバスチャンネルにマッピングされます。
シミュレーションはCRUISE Mが制御し、ステップサイズに応じてソルバー設定に従って参照されたSimulinkモデルを実行します。
CRUISE Mは、MATLAB C APIインターフェイスを用いてMATLABセッションを起動します。
Simulinkモデルを実行する際には、Model name as Programmatic Interface 機能を利用します。これにより、Simulinkの標準的な実行制御に依存せず、入力の更新、各ステップの細かな制御、状態の記録、およびSimulinkモデルからの出力の取得が可能になります。
具体的な例として、インストールモデル C07023_Simulink_Model をご覧ください。Simulinkで作成したシンプルなファンモデルをCRUISE Mのデータバスネットワークで統合し、熱系・機械系のコンポーネントと連成しています。
短いワークフローのデモ動画もぜひご覧ください。
注意点
単位系:CRUISE MとSimulinkの単位系は、形式や範囲において完全には互換ではありません。現時点では、CRUISE MはSimulinkの単位参照を解釈せず、すべてのデータバスポートを単位なし(unitless)として扱います。
拡張機能
CRUISE M Release 2026 R2では、以下のようなカスタマイズオプションの提供を予定しています:
- ステップサイズの分離:Simulinkモデルの定義されたステップサイズでの実行、CRUISE Mのステップと同期させない設定
- MATLABセッションの作業ディレクトリ指定:CRUISE Mモデルで参照される各Simulinkモデルごとの専用作業ディレクトリ設定
- 起動・初期化スクリプトの指定:m-file参照によるセッション開始時スクリプト実行
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