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AVL、海峡フェリー電動化のフィージビリティスタディ完了

AVLは、DFDS社および英国のケント大学とともに、CeLSA(ロジスティクス・サステナビリティ分析センター)を通じて、SESSF(短距離海峡フェリーのスマート電動化)に関する共同事業のフィージビリティスタディを成功裏に終えました。

Blue and white ferry in the foreground on the water with solar panels on the dock to the right with wind turbines in the background

AVLは、DFDS社および英国のケント大学とともに、CeLSA(ロジスティクス・サステナビリティ分析センター)を通じて、SESSF(短距離海峡フェリーのスマート電動化)に関する共同事業のフィージビリティスタディを成功裏に終えました。この調査は、DFDS社が英国とヨーロッパ間の海峡ルートで運航する電動フェリーにおいて、最適な設計を選定するための判断材料となっています。

英国・バジルドン、2025年7月: 本プロジェクトは、英国運輸省(DfT)が資金提供し、英国国家機関であるInnovate UKが実施するSSAF(スマート・シッピング加速基金)の一環として進められています。SSAFは、英国運輸省が推進するUK SHORE(英国海運排出削減室)プログラムの一部であり、英国の国内海運分野の脱炭素化に必要な技術開発を目的とした、総額2億600万ポンドの取り組みです。

本コンソーシアムは、英国のドーバーと、フランスのカレーおよびダンケルクを結ぶ海峡ルートで運航する電動船(e-バッセル)の最適な設計選定を支援するためのフィージビリティスタディを成功裏に終えました。設計には、船体、推進システム、バッテリーシステムなどが含まれ、幅広い運航シナリオを考慮しています。AVLはプロジェクト全体のマネジメントを主導し、バッテリー技術とシミュレーションソリューションに関する専門知識を活かして、シミュレーション業務全体を担当しました。AVLは、モビリティコンセプトの分析、サブシステムの設計・レイアウト、仮想コンポーネントの統合に対応するマルチドメイン・システムシミュレーションツール「AVL CRUISE™ M」を活用しています。

AVLは、シナリオベースの電動フェリー向けパワートレイン・シミュレーションモデルをCRUISE™ Mで開発しました。DFDS社が想定する電動フェリーの抵抗特性や運動特性、さらに現在海峡ルートで運航されているフェリーの運行サイクルを適用することで、電動パワートレイン、バッテリー、電動モーター、推進システムの動作をさまざまな運航シナリオにおいてシミュレーションすることが可能です。

AVLのCRUISE™ Mモデルは、CeLSAが開発した技術的・経済的観点から設計された意思決定支援ツールに統合されています。このツールはアプリケーション形式で設計されており、DFDS社のような最終ユーザーが、新たな電動フェリーの導入に向けて、バッテリー容量、航路、経路、陸上インフラの充電可能性など、さまざまなシナリオを考慮しながら、最適な戦略および運用オプションを検討できるようになっています。

この協業は、DFDS社が2030年までに短距離海峡ルートにバッテリー電動フェリーを導入するという目標の達成に向けて、重要な役割を果たします。本プロジェクトは、海事分野における脱炭素化の推進に向けて、より広範な影響をもたらす可能性があります。温室効果ガス(GHG)排出量の削減予測をはじめとする主要な知見は、英国運輸省、海事沿岸警備庁(MCA)、Innovate UKなどの政府機関および業界関係者と共有される予定です。

AVL Powertrain UK Limited, Research & Development Department Leader : Dr Mamadou Ndiayeのコメント
この変革的なプロジェクトを主導できたことを大変嬉しく思います。海事分野は、クリーンな海運の未来という共通の目標に向かって進んでおり、今回のフィージビリティスタディから得られた知見が、その実現に向けた重要なツールとなることを願っています。今後もDFDS社やケント大学とのさらなる協業の可能性を探りながら、海運業界の脱炭素化への移行を支援していけることを楽しみにしています。」

DFDS社, Head of Transformation : Timothy van Vugt氏のコメント
この変革的なフィージビリティスタディに参加できたことを大変光栄に思います。海運業界が脱炭素化という共通の目標に向かって進む中で、知見を共有し、協力できたことは非常に価値ある経験でした。SESSFプロジェクトを通じてAVLおよびケント大学と連携したことで、持続可能なイノベーションへの取り組みがさらに強化され、海峡ルートにおける当社の電動フェリー導入への意欲も高まりました。今後もこの協業から得られた知見を活かしながら、新たな可能性を模索し、よりクリーンな海運の未来の実現に貢献していきたいと考えています。」

Director of CeLSA, Reader in Management Science at the University of Kent : Dr Ramin Raeesi氏のコメント
「短距離海峡ルートへの電動フェリー導入は、大胆かつ多額の投資を伴う取り組みであり、持続可能性や長期的な運航のフィージビリティに大きな影響をもたらします。そのため、設計や統合に関する意思決定には、幅広い運航シナリオとシミュレーションに基づいた、信頼性の高いデータ主導の分析が不可欠です。SESSFプロジェクトを通じて、DFDS社の取り組みを支援し、初期世代の意思決定支援システムを成功裏に開発できたことを嬉しく思います。」

12,200人の従業員を擁するAVLは、自動車業界をはじめ、鉄道、船舶、エネルギーなどの分野における開発とシミュレーション、試験を行うモビリティテクノロジーのリーディングカンパニーです。独自の広範な研究活動に基づき、より環境に優しく、安全・安心で快適なモビリティ社会の実現に向けて、コンセプトやソリューション、方法論を提供しています。

AVLは、国際的なパートナーや顧客の持続可能なデジタル変革を支援しています。特に、電動化、ソフトウェア、AI(人工知能)、オートメーションの分野に重点を置いています。さらにAVLは、エネルギー集約型セクターが、より環境に優しく効率的なエネルギー生成供給を実現できるように支援しています。

AVLでは、情熱がイノベーションを促進しています。世界各国に90か所以上の拠点と50か所のテクニカルセンター/エンジニアリングセンターを展開し、新しいモビリティ社会を実現するためにお客様をサポートしています。2024年は20.3億ユーロの売上高を達成、そのうち11%をイノベーションの加速に向けた研究開発活動に投資しています。

DFDS社は、ヨーロッパ全域および周辺地域に広がる輸送ネットワークを運営する、信頼と実績のある企業です。年間売上高は300億デンマーククローネ、従業員数は16,500人を超え、フェリー・陸路・鉄道を活用したトレーラー貨物輸送に加え、付加価値の高い物流ソリューションを提供しています。また、短距離および夜間フェリー航路では、自動車および徒歩の乗客の輸送サービスも提供しています。1866年の創業以来、コペンハーゲンを本拠地とし、同地で株式を公開しています。

CeLSAは、輸送・物流・サプライチェーン分野における幅広い課題に対し、サステナビリティの観点から取り組んでいる研究センターです。マネジメントサイエンス、オペレーションズリサーチ、アナリティクスの分野において世界トップクラスの研究実績を有し、英国の「ネットゼロ」実現に向けたさまざまな学際的研究プロジェクトを、国内外の大学や企業と連携して推進しています。CeLSAの専門家たちは、数学的モデリング、最適化、シミュレーション、データ分析などの手法を駆使し、輸送・物流に関する多様な課題に取り組んでいます。特に、業務の持続可能性に焦点を当て、産業界のパートナーと連携しながら、高度な計算モデルを用いて業務改善を支援し、革新的かつ持続可能なソリューションの開発を行っています。

また、CeLSAは英国における脱炭素化研究の中核拠点としても知られており、道路および海上輸送分野の脱炭素化に関する先駆的な研究プロジェクトを主導しています。学術機関や企業との連携を通じて、水素や電力などのクリーン燃料の導入を加速させるための革新的かつ持続可能なソリューションの開発に取り組んでいます。

Blue and white ferry in the foreground on the water with solar panels on the dock to the right with wind turbines in the background
プレスリリース
AVL、海峡フェリー電動化のフィージビリティスタディ完了
AVLは、DFDS社および英国のケント大学とともに、CeLSA(ロジスティクス・サステナビリティ分析センター)を通じて、SESSF(短距離海峡フェリーのスマート電動化)に関する共同事業のフィージビリティスタディを成功裏に終えました。
IDEC Sport Paola Depalmas
プレスリリース
AVL RACETECH、IDEC SPORT Racingと提携 ─ 車両シミュレーションソフトの公式パートナーに就任
AVL RACETECHとIDEC SPORT Racingが長期的なパートナーシップを締結しました。オーストリアの開発サービスプロバイダーであるAVLのモータースポーツ部門「AVL RACETECH」は、フランスのLMP2クラスに参戦するIDEC SPORT Racingを、先進的な車両シミュレーションソリューション「AVL VSM™ RACE」を通じて支援します。さらに、選定されたレースでは
Niterra and AVL are developing a disruptive hydrogen production technology
プレスリリース
日本特殊陶業とAVL、革新的な水素製造技術を共同開発
モビリティおよびエネルギー技術のリーディングカンパニーであるAVLは、愛知県名古屋市に本社を置く日本特殊陶業株式会社と提携し、グリーン水素製造における革新的技術の開発および産業化に取り組むことを発表しました。
Skills Center
プレスリリース
AVL、日本初のスキルセンターを名古屋に開設 ~最先端の技術研修を提供~
エイヴィエルジャパンは 名古屋に日本初のジャパンスキルセンターを設立したことを発表いたします。ジャパンスキルセンターは、AVLが世界中で展開するAVLスキルセンターのネットワークの一部であり、日本国内における技術教育の重要な拠点となることが期待されています。