エンジニアリング

バッテリー開発におけるシミュレーション

迅速かつ効率的な開発。無伝播バッテリーの設計から急速充電対応温度システムまで。

AVLのシミュレーションソフトウェアと手法を利用すれば、無伝播バッテリーの設計、構造セルの統合、急速充電向け温度システム、ならびにその他の多くのソリューションを迅速かつ効率的に開発できます。

Battery Simulation

シミュレーション分野における長年の専門知識、実績ある手法とソフトウェア製品を活用し、早期に妥当性確認を実施して、的を絞ったバッテリー開発を実現します。この方法で、開発タスクのフロントローディングを行うお客様をサポートします。

私たちはあらゆる物理的要因に対応します。セル、モジュール、パックの「強度と耐久性」だけでなく、「破壊と粉砕」もシミュレーションします。また、仮想モデルにより、複雑な熱挙動(熱とパフォーマンス)を再現し、耐久性(セルと堅牢性)を解析します。さらに、EMC(電磁両立性)やNVH(騒音、振動、ハーシュネス)などのその他の相互作用を考慮します。

BEV Sedan Charging

常に維持される安全性

バッテリー電気自動車(BEV)に関しては、常に稼働するパッシブセーフティ技術がお客様の重要な要件です。この要件を満たすため、メーカー各社は無伝播バッテリー設計の開発という課題に直面しています。この開発には、詳細かつ綿密な開発・検証工程が必要です。AVLのシミュレーション手法はそのすべてに対応します。

急速充電

バッテリーの急速充電における大きな課題は、セルとモジュールの効果的な冷却にあります。革新的な冷却コンセプトにより、電気自動車の充電時間を大幅に短縮できます。AVLの温度性能シミュレーション・ソリューションは、この分野で大きく貢献しています。その例として、特定のオイルを冷媒として最適化したことが挙げられます。

Battery Simulation

ほとんどのメーカーは、すでにエンジニアリング・シミュレーションによりバッテリー開発を行っています。しかし、これらのバッテリー開発向けモデルでは、バッテリーの特定の特性や機能を開発するために使用される、シンプルな構成条件を使用しています。

AVLにとって、この方法では十分な結論と言えるものではありません。そのためAVLでは、より複雑な仮想上での妥当性確認という手法を代わりに使用しています。AVLは、関連するすべての影響要因を含む完全な仮想上での妥当性確認環境まで、この分野における幅広い選択肢をご用意しています。バッテリー挙動について信頼できる結論を導く唯一の方法が、すべての構成条件を考慮することであると考えているからです。

そのため、燃料火災試験など、ほぼすべての試験を仮想上での妥当性確認として実施しています。燃料火災試験では、火の熱をシミュレートするだけでなく、ガスの動態もシミュレートします。この試験では、炎が発する高温を確認するだけでは予想できないほど早くバッテリーに引火することなどが分かります。

信頼できる安全性

無伝播バッテリーを設計するという目標を達成する上で、AVLとの協力は欠かせません。仮想上で実施する妥当性確認により、最も厳しい条件下で数時間にわたってもセル間に熱暴走が起こらないバッテリーを設計しやすくなります。AVLはこの手法により、法定ガイドラインを超える数値を達成しています。

革新的な冷却

蒸発温度を正確に設計できる特殊なオイルを使用して、非常に効果的な二相冷却によりバッテリーを冷却します。AVLのシミュレーションは、このようなオイルの仕様、蒸発表面と関連する温度システムのレイアウトについて正確なソリューションを提供します。この分野に精通する世界有数の石油精製企業数社は、AVLのお客様です。

信頼性の高いキャリブレーション

AVLは、シミュレーションモデルを正確なパラメーターでキャリブレーションするため、グラーツ工科大学と協力して独自のバッテリー安全性センターを運営しています。このセンターには、複雑な熱暴走の問題など、あらゆる要件に対応する専用のテストベンチが用意されています。また、AVLは自社のラボを持っており、バッテリーに使用される接着剤などの材料を完全にパラメーター化することができます。

包括的な共同シミュレーション

バッテリーセルの統合については、バッテリー内の各工程による相互作用を考慮しています。これは、膨張やブリージングなどの現象には、熱や電気の影響だけでなく、機械からの影響もあるためです。したがって、シミュレーションの結合がカギとなります。たとえば、熱暴走解析では、熱流、気体流、粒子分布、機械的変形、材料溶融、アーク放電、短絡計算など、さまざまなモデルをリンクします。共同シミュレーションの対応範囲が広いため、AVLは市場で唯一無二の地位を築いています。

AVLソフトウェア

AVLでは、バッテリーシミュレーションに必要なソフトウェア製品を自社開発しています。AVL CRUISE™ M、AVL FIRE™ Mなどの有名なプログラムや、実績のあるその他の多くのAVLツールをAVLから購入し、お客様の工程に直接組み込むことができます。また、サービスの一環として、AVLのソフトウェアも使用できます。特定の要件がある場合は、お客様のためにカスタマイズしたツールチェーンを提供します。

設計解析

AVLのシミュレーションモデルでは、既存のバッテリー設計のあらゆる特性と相互作用を調査します。その結果については、詳細なレポートを提供します。

設計提案

設計解析に基づいて、最適化に関する具体的な提案を行います。提案の際には、改善点の詳細と、その改善点を実現するために必要な修正を明示します。

新しい派生型のコンセプト

バッテリーや適切な派生型を開発・改良する際には、仮想モデルに基づいて新たな設計提案を行います。これにより、お客様の開発目標を最適な形で実装できます。

妥当性確認

仮想上で妥当性確認を実施することで、量産に向けた最終モデル向けバッテリーの設計を確保できます(デザインフリーズ)。評価には、「合格」または「不合格」に加えて、試験に合格しなかった理由について具体的な詳細も記載します。

Bernhard Brunnsteiner

セルの最適なパッケージングは、特に膨張とブリージングに関して極めて重要です。この2つの現象は、あらゆるバッテリーで発生します。特に急速充電機能に関しては、安全な統合が非常に重要です。

– スキルエリアマネージャー バッテリー・セル事業部

Wolfgang Novak

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EV向けバッテリー開発

AVLは、技術の進歩を牽引しています。お客様それぞれの要件に基づいて、あらゆる車種に合わせたバッテリーソリューションを開発しています。コスト目標を達成し、市場投入までの時間を最小化することがAVLの目標です。AVLは、イノベーションから量産向けプロセス開発まで、開発のあらゆる側面に対応しています。

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