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AVL RACETECHとPENSKE AUTOSPORT フォーミュラEチーム、車両シミュレーションソフトウェアにおける公式パートナーシップを発表

オーストリアのエンジニアリング企業であるAVLのモータースポーツ部門「AVL RACETECH」と、DSオートモビルのフォーミュラE世界選手権参戦チームを運営する「PENSKE AUTOSPORT」は、これまでの実績ある協力関係をさらに拡大します。

AVL RACETECH and PENSKE AUTOSPORT Formula E Announce Official Partnership

オーストリア・グラーツ、2025年5月16日 ー オーストリアのエンジニアリング企業であるAVLのモータースポーツ部門「AVL RACETECH」と、DSオートモビルのフォーミュラEチーム 世界選手権参戦チームを運営する「PENSKE AUTOSPORT」は、これまでの実績ある協力関係をさらに拡大します。

すでに導入されているAVLのシミュレーションソリューション「AVL VSM™ RACE」を基盤に、両社は現在、最適化されたエネルギーマネジメントシステムの共同開発を進めています。

AVL RACETECHとPENSKE AUTOSPORTのパートナーシップは、長期的な協力を見据えたものです。

ABB FIA フォーミュラE世界選手権において、レース戦略とエネルギー効率は成功の鍵となります。この両分野において、PENSKE AUTOSPORTのフォーミュラEチームはAVL RACETECHの支援を受け、レース準備、ラップタイムおよびエネルギーマネジメントの最適化のために、AVLの「AVL VSM™ RACE」ソフトウェアを長く活用しています。

実績のある車両運動シミュレーションツールは、PENSKE AUTOSPORTにおいて、パートナー企業であるAnsible Motionとの協力により開発された新たなマルチドライビングシミュレーター環境に導入されています。AVL VSM™ RACEの独自アーキテクチャにより、最大5台のハイエンドドライビングシミュレーターが統合された環境で接続され、複数車両間の相互作用をリアルに再現することが可能となりました。これにより、開発およびレース戦略プロセスに貴重なインサイトが取り込まれます。

AVL RACETECHとPENSKE AUTOSPORTの協業における中核はエネルギーマネジメントシステムの最適化にあり、現行のフォーミュラEマシンを高精度に再現したバーチャルモデルが鍵となっています。このモデルを基に、利用可能なエネルギーの回収と使用を継続的に分析・最適化するためのインテリジェントなアルゴリズムが開発されています。シミュレーションを通じて、実際のレースにおける最適なエネルギーマネジメント戦略がさらに洗練されていきます。最終的な目標は、エネルギー効率とラップタイムの完璧なバランスを実現し、車両のポテンシャルを最大限に引き出すことです。

PENSKE AUTOSPORT チームプレジデント Phil Charles:
「パートナーであるAVL RACETECHとの取り組みに非常に満足しています。AVLが提供する『AVL VSM™ RACE』の車両モデルは、我々のチームにとって素晴らしい追加要素です。シミュレーターとシミュレーション機能は我々にとって大きな資産であり、『AVL VSM™ RACE』はこれらの活動の中心にあります。」

AVL RACETECH グローバルセールス&ビジネスディベロップメントマネージャー Guillermo F. Pezzetto:
「フォーミュラ Eは、我々の車両運動シミュレーションソフトウェア『AVL VSM™ RACE』にとって理想的なユースケースです。エネルギー使用量の極めて高精度な相関性が求められるだけでなく、オフィスのノートPC、クラウド、DiL(Driver-in-the-Loop)、テストベンチといったあらゆる環境で、モデルの変更や簡略化を行うことなく、単一のシミュレーションモデルが動作することが重要です。さらに、『AVL VSM™ RACE』は、PENSKE AUTOSPORTが独自のモデルを追加し、用途に応じてカスタマイズできる柔軟性を提供しており、最終的な成果の向上に貢献しています。」

PENSKE AUTOSPORT R&D部門責任者 Julian A. Garcia-Grajales:
フォーミュラ Eにおいて、エネルギーマネジメントは成功の鍵です。最適なエネルギーマネジメントシステムを開発するためには、車両およびそのシステムを高精度に仮想再現することが不可欠です。私たちはAVL RACETECHと緊密に連携し、オフラインシミュレーションやシミュレーターで使用可能な、非常に精密な車両のバーチャルモデルを構築しています。また、エネルギー最適化アルゴリズムの開発にも取り組んでおり、これがエネルギーマネジメントの分析・開発・改善の基盤となっています。」

AVL モータースポーツ部門ディレクター Ellen Lohr:
「私たちのツールとサービスを通じて、PENSKE AUTOSPORTのサーキットでの成功に貢献できることを嬉しく思います。フォーミュラ Eは、私たちが関与している17のレースシリーズのひとつであり、今回、F2、F3、WEC、ELMSと同様に、電動レースにおいても公式かつ注目すべきパートナーを得られたことを大変嬉しく思います。今後の広報活動の目標としては、こうした可視性の高いパートナーシップを、私たちが携わる主要なレースカテゴリー全体において、さらに多くのチームへと広げていくことです。」

12,200人の従業員を擁するAVLは、自動車業界をはじめ、鉄道、船舶、エネルギーなどの分野における開発とシミュレーション、試験を行うモビリティテクノロジーのリーディングカンパニーです。独自の広範な研究活動に基づき、より環境に優しく、安全・安心で快適なモビリティ社会の実現に向けて、コンセプトやソリューション、方法論を提供しています。

AVLは、国際的なパートナーや顧客の持続可能なデジタル変革を支援しています。特に、電動化、ソフトウェア、AI(人工知能)、オートメーションの分野に重点を置いています。さらにAVLは、エネルギー集約型セクターが、より環境に優しく効率的なエネルギー生成供給を実現できるように支援しています。

AVLでは、情熱がイノベーションを促進しています。世界各国に90か所以上の拠点と50か所のテクニカルセンター/エンジニアリングセンターを展開し、新しいモビリティ社会を実現するためにお客様をサポートしています。2024年は20.3億ユーロの売上高を達成、そのうち11%をイノベーションの加速に向けた研究開発活動に投資しています。

AVL RACETECHは、AVLのグローバルなモータースポーツ専門部門であり、20年以上にわたりレースのあらゆる技術分野で活動しています。
AVL RACETECHは、世界17のレースシリーズにおいて、エンジニアリング、テスト、シミュレーション、製造の各分野でお客様と連携しています。Formula 1からFormula E、NASCAR、MotoGPに至るまで、最も権威あるレースシリーズのチームに対する主要サプライヤーとして、最先端の技術とサービスをモータースポーツ界に提供しています。

2024年より、AVL RACETECHは国際自動車連盟(FIA)の公式車両シミュレーションソフトウェアサプライヤーを務めています。

PENSKE AUTOSPORTは、2007年にジェイ・ペンスキーによって設立されたアメリカのレーシングチームです。
チームの本拠地は、単一都市として世界最大のEV市場でもあるカリフォルニア州ロサンゼルスに置かれています。
インディカーでの多くの成功を収めた後(2007年~2014年)、チームは電動モビリティへの変革を受け入れ、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の創設チームの一つとなりました。
チームのモットーはラテン語の「E Pluribus Unum」で、「多くの中から一つが生まれる」という意味を表しています。

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Contact
Dr. Markus Tomaschitz, Unternehmenssprecher AVL
Tel.: +43 664 100 0289
E-mail: Markus.Tomaschitz@avl.com